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2004年09月27日版 |
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FIGURENET ウィークリーニュース 2004.9.27.版 (第151号)
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いつもお引き立ていただき、ありがとうございます。
9月18日~26日の間、弊社もメンバーになっております向研会
(大前研一氏主催の勉強会)の海外視察、中欧研修旅行へ行って
参りました。
21日発行予定だったウィークリーニュースですが、現地からお送
りしたかったのですが、ホテルでのインターネット接続の具合が
悪くお送りすることができませんでした。そのため、先週は急遽
お休みとさせて頂きました。申し訳ございません。
また、先週海外に出ていたため、今回のウィークリーニュースは
通常のとは異なり、中欧研修で学んだ事をブリーフィングさせて
頂きたいと思います。
今回の研修旅行には、大前氏も含め、日本全国から33名の経営者
の方々が集まり、弊社も末席にて研修をさせて頂きました。
大手企業では、下記のような方が出席されていました。
JSAT社長
大塚化学取締役
ニチレイ社長
ぷららネットワーク社長
ユニチャーム社長
他
【研修の趣旨】
今年の5月からEUに加盟した元共産圏の中欧3カ国をめぐり、情勢
を勉強すること。(訪問先は下記)また下記以外に、各国でスー
パーマーケットを訪問し、一般生活における物価情勢を調査。
-<訪問先>-----------------------------------------------
【ハンガリー(ブタベスト)】
ハンガリー経済運輸省
Graphisoft R&D Rt. (3次元建築ソフトの大手)
GE Hungary (GEの欧州基地、欧州のバックボーン)
三洋ハンガリー (携帯電池等を欧州市場向けに生産)
Videoton Holding (欧州でTOP5のEMS)
【チェコ(プラハ)】
チェコ投資庁
Accenture (Central Europe B.V.)(中欧本部、BPO事業展開)
Panasonic AVC Networks Czech (欧州向けプラズマTV生産)
Skoda Auto(チェコの自動車メーカ)
DHL Czech Repabulic(ITセンター)
【ポーランド(ワルシャワ)】
ポーランド情報・外国投資庁
Animex(ポーランド食肉加工の最大手)
ComputerLand(ポーランド拠点のITソリューション会社)
Fiat-Auto Poland(フィアット)
----------------------------------------------------------
【概況】
基本的に、各国ともEU加盟により派生する物価上昇を懸念しつつ
も、自国内の低賃金労働力と、EUの基金を利用することで、外資
を自国に呼び込み、経済成長を図ろうとしていました。
興味深く感じたことは、EUに加盟することは、EUのルールに則っ
て経済成長を図ることですが、それでは独自色が出せず海外から
の投資を呼び込めなくなってしまうため、各国ともEUの規則に抵
触しないギリギリのレベルで、海外から企業誘致を行っていまし
た。
特に印象深かったのは、チェコ投資庁で、明確なインセンティブ
を提示しているため、他2カ国と比較しても日本企業を含め多数進
出していました。
実際にEURを使用するのは各国とも5年以上先のため、基本的には
それまでに外資を呼び込むのに必死というかんじでした。
3カ国とも、給与レベルはざっくりと1/4~1/6程度。
訪問した大手スーパーマーケットでは日本の物価の1/3程度といっ
たところです。
そして各国とも、自分の国は良質の労働人口を抱えており、その
上、理化学的にも実はとても優秀な国なのだと自画自賛しており
ました。また、どこの国も自国は欧州の中心に位置しており、ど
こへもアクセスがし易いとも言っていました。(f^^;)
<例>
ハンガリー:
人口1千万人の国だがノーベル科学賞を10個も取得している
コンピュータの生みの親、ニューマン
Holography、ルービックキューブの発明
チェコ:
1348年世界で初めの大学(チャーチル大学)
1897年世界で初めての車(プレジデント)
ポーランド:
コペルニクス
キューリー婦人
訪問した3カ国は、ハンガリー、チェコ共に1千万人、そしてポーラン
ド4千万人で所得も低く、すべての分野でまだまだ成長の余地があるば
かりでなく、内なるEU4億人の市場に対して、低賃金労働力を背景に
バックヤード的なビジネスを展開していくものと見られる。但し、EU
の14%の課税障壁に守られてはいるものの、同一事業分野でまともに
中国と争えば負けてしまうため、別の付加価値を追求していかなけれ
ばならない課題を残しているようです。
【感想】
中欧へ行くのは今回初めてだったのですが、訪問する前に抱いていた
元共産圏の暗く寂れたイメージは一切なく、解放後10年でこんなにも
変れるのかと、正直驚いてしまいました。
また、どの国も日本に対するイメージが非常によく、日本が戦後急速
に成し遂げた経済成長を見習いたいと、どの国の役人も言っていまし
た。
どこの国も、韓国のサムソンやLGがブランドイメージを確立しようと
空港から街中の看板に至るまで、あちらこちらに会社のロゴを表示
していましたが、大前氏のコメントによると、ポーランドにおける大
宇自動車メーカの突然の撤退のように、残念ながら韓国企業の信頼感
が薄いため、韓国企業をペースメーカのように考えて日本企業は事業
を展開していけば良いだろうと話していました。
また、日本では自動車市場はもう頭打ちの感がありますが、中欧では
現在の4倍以上の市場があり、それをめぐり日本勢ではトヨタが着実に
事業を現地に根付かせているように感じました。
当社の主眼であった先端電子部品(機器)の面では、どこの国も自国
内でほとんど生産されておらず、なんとかIT関係の事業を伸ばしたい
と、役人が自国の特徴を全く無視して、電子機器メーカに是非進出
してほしいと力説しておりました。
大前氏の言葉を借りれば、今成長している国はどこも『貸席経済』で、
各国から企業を誘致し、外資を呼び込むことが成長のキーファクター
であるとのことです。しかし、私一個人としては、現在日本を代表す
る企業がすべて焼け野原からスタートして、生き残ってきた企業であ
ることを思うと、『貸席』で上辺だけの急成長をしても、国家として
の足腰に不安が残るような気がしました。
【最後に】
日本からはとても遠い国ではあるが、日本に対する信頼が厚いことか
ら、欧州進出の拠点として彼らとビジネスをする価値は非常に高いと
感じる。
少々「時差ぼけ」のため、まとまりに欠ける点がありますが、ご報告
まで。
P.S.
次回からは通常のウィークリーニュースとなります。
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